ポーカーのリンプが弱い理由

テキサスホールデムポーカーにおいて、「リンプ」「リンプイン」は、プリフロップ(共有カードが公開されていない最初の段階)でビッグブラインド(BB)に対してコール(同額チップで参加)することを指します。

リンプは少額で参加できるため、初心者によく見られるアクションです。しかし一般的にリンプは悪手であると言われます。その理由について説明していきます。また、相手がリンプインしてきたときの攻略方法についても解説します。

ポーカー用語:リンプ、リンプイン

ポーカー初心者でも理解できるように、用語解説から始めます。なお本題の「ポーカーのリンプが弱い理由」は次項から始まります。さて、そもそも「リンプ」というポーカー用語が分からない人は以下のイラストを確認してください。

BB(ビッグブラインド)

テキサスホールデムでは「DEALER」と書かれたボタンがテーブルに置かれます。かつてはボタンがディーラーをしていたために「DEALER」の文字が残っていますが、現在ではブラインドを誰が払うかの目印になっています。ボタンが置かれた人の左隣がスモールブラインド(SB)を支払い、さらにその左隣がビッグブラインド(BB)を払います。

UTG(アンダーザガン)・その他のポジション

BB(ビッグブラインド)の一つ左のポジションをUTGと言い、最初にベッドするかどうかを決めるポジションに当たります。上図ではMP(ミドルポジション)、CO(カットオフ)と続きます。

リンプ

プリフロップ(共有カードが公開されていない最初の段階)でビッグブラインド(BB)に対してコール(同額チップで参加)することを指します。上図ではUTGとCOがBBと同額の200をベットしてるため、リンプしていることになります。

ポーカーのリンプが弱い理由

本題のリンプが弱い理由を4つにまとめると以下のようになります。イメージ的にわかりやすいよう、具体例も含めて解説していますので、順番に読むと理解できます。

1. アグレッシブプレイの欠如

リンプは積極的なプレイではなく、他のプレイヤーにリードを取られる可能性が高まります。積極的にベットやレイズすることで、相手にプレッシャーをかけることができますが、リンプはそれができません。それがなぜ悪手となるのか、具体的に説明します。

具体例

例えば、あなたのポジションがUTGのときポケット9(9♠9)のハンドが入りました。ここでリンプする場合、レイズする場合についてそれぞれシミュレーションしてみます。

UTGがリンプした場合

あなたはポケット9を持っていますが、UTGでリンプ(コール)することに決めます。その後以下のようにコールが続くとします。

  • MPがコールします。
  • COがコールします。
  • BTNがコールします。
  • SBがコールします。
  • BBがチェックします。

結果、6人がフロップを見ます。フロップを大勢で見ることになり、あなたのポケット9の勝率は大きく下がります。例えば、フロップにA、K、Qのような高いカードが出た場合、他のプレイヤーがこれらのカードを持っている可能性が高くなります。

ポケット9はそこそこ強いハンドですが、複数のプレイヤーがいると対抗するハンドの可能性が増えるため、勝ちにくくなります。

UTGがレイズした場合

同じハンド(ポケット9)を持っていますが、今度はアグレッシブにプレイして、3倍のビッグブラインドにレイズします。そうなると弱いハンドを持ったプレイヤーはフォールドを選択します。

  • MPがフォールドします。
  • COフォールドします。
  • BTNフォールドします。
  • SBがフォールドします。
  • BBがコールします。

結果、2人でフロップを見ます。フロップを少数で見るため、対戦相手の数が減り、あなたのポケット9の勝率が上がります。つまり、アグレッシブにレイズすることで、他のプレイヤーにプレッシャーをかけ、弱いハンドでの参加を抑えることができます。また、相手がコールした場合でも、対戦相手のハンドレンジを絞ることができ、より戦略的にプレイできます。

2. ポジションの損失

リンプすると、後のポジションにいるプレイヤーに強いハンドでレイズされるリスクがあります。ちなみに、リンプ後にレイズすることをレイズオーバーリンプ(ROL)と呼びます。

この場合、リンプしたプレイヤーは強いハンドを持っていないと推測され、相手に有利な状況を作られます。

ただし、レイズオーバーリンプ(ROL)を頻発する相手に対しては、AA(エーシーズ)のような強いハンドのときに敢えてリンプすることが有効な場合もあります。

3. ポットコントロールの難しさ

ポーカーの格言の一つに「ビッグハンドはビッグポット、スモールハンドはスモールポット」というものがあります。このように意図的にポットサイズを調整する技術をポットコントロールと言います。

リンプした後に他のプレイヤーがレイズすると、ポットが大きくなり、コールするかフォールドするかの難しい選択を迫られることがあります。最初からレイズすることで、ポットを自分のコントロール下に置くことができます。

4. ハンドの強さがバレる

リンプを繰り返すことで、相手に自分のハンドの強さを推測されやすくなります。強いハンドならレイズ、弱いハンドならリンプというプレイスタイルが定着してしまうと、相手に戦略を読まれやすくなります。

リンプインが有効になる戦略(戦略的にリンプを使う方法)

必ずしもリンプが悪手になるとは限りません。戦略的にリンプインすることで、相手から多くのチップを獲得できるチャンスもあります。

例えば、AA(エーシーズ)のような強い手を持っているときに、あえてリンプすることで相手を逆手に取ることができます。例えば、レイズオーバーリンプ(ROL)を頻発する相手に対しては有効になります。

しかし、戦略的にリンプを使うのは難易度が高く、初心者にはオススメできません。初心者のうちはリンプは絶対にしないと決めておく方が良いです。

相手がリンパーだったときの対応策

もしリンプを多用するプレイヤーが卓にいる場合はカモにすることができます。このときリンプするプレイヤーに対してアグレッシブにプレイすることで、相手の弱点を突き、自分の利益を最大化することができます。

ただし、無理にブラフを多用しすぎると逆効果になる場合もあるため、バランスを取ることが重要です。具体的な方法は以下のようになります。

1.プリフロップでのレイズを増やす

リンプするプレイヤーがいるときは、強いハンドでレイズしてプレッシャーをかけます。これにより、弱いハンドを持っているリンププレイヤーをフォールドさせることができます。

リンプが多い場合は、レンジを広げてレイズすることも有効です。たとえば、A♠7♠K♦J♣、Q♣10♠などのハンドでもレイズしてみましょう。

2.フロップ後のアグレッション

プリフロップでレイズしたプレイヤーが、継続してフロップでもベットを行うことをコンティビュエーションベット(CB)と言い、さらにリンプ相手にプレッシャーをかけることができます。

これについても、弱いハンドを持っているリンププレイヤーをフォールドさせるために行います。

3.注意点

ただし相手がレイズオーバーリンプ(ROL)、つまりリンプ後にレイズするプレイヤーだった場合、戦略的にリンプしている可能性があるためアグレッシブにプレイすると罠にハマるため注意が必要です。

相手のプレイスタイルを観察し、リンプの頻度やリンプ後のアクションに基づいて戦略を調整するようにしてください。